ミュージカル刀剣乱舞 陸奥一蓮 の感想

ミュージカル刀剣乱舞 陸奥一蓮 の感想

気づいてしまったんですが、浅井先生脚本はストレートにこう……面白くないです……。
捻りが無さすぎるし、粋がない。盛り上がらない。カタルシスが得られない。

これは刀ステにも浅井先生脚本の刀ミュにも思うことなんですが、基本的に歴史小説って小説を書く力以外にも『日本史力』が必要だと思ってください。
これは日本史が好きという情熱が幼い頃からないと身につかないものです。
大人になって必要だから調べた、では絶対に書けないものです。

例えば、平安時代を書くなら、平安時代の特徴を理解しないといけません。
大人になってからだと、平安時代の資料を読んでそれを掴もうとします。
でも、平安時代の特徴というのは、その前の奈良時代と、そのあとの鎌倉時代を知らないと駄目なんです。前後の比較対象があるから、なぜ違うのかというところに目が向き、より理解が深まるんです。
子供のときから日本史が好きで、奈良時代平安時代鎌倉時代の全てをぼんやりでも掴めているというのは、歴史小説において大きな力になります。

そしてもう一つ。
日本史が好きなら必ず『IF』を考えることができます。
もしも「〇〇が××だったら……」を自然と小さい頃から夢想します。
そのIFは歴史小説を書くときの切り口になります。
これがないと「歴史をなぞっただけ。資料をそのまま書いただけ」という非常につまらない脚本になるんですよね。

末満さんも浅井さんも、その手の日本史力がない気がします。
必要だから調べた。そのまま書いた。
これで歴史パートを面白くできるわけがない。

(余談ですが、末満さんは歴史にオリジナル解釈をいれるから面白い!と言われますけれど、私からすると「歴史の素材を意味もわからず好きに使った二次創作」と「こういう歴史の流れだからここの味方を変えると歴史はこうなるはずと意味がわかった上での二次創作」は、ジャンルが全く違います……)

浅井先生脚本は、歴史部分にもう〜んだし、そもそもストーリーも起伏がないんですよね。短編ならこれでいいんですけれど、長編でやられるときつい。話が平坦すぎるから、一部の劇中曲のメロディも話に合わせて方向性がふわっとしてしまう。ドラマチックにならないから、印象に残らない。
鶴丸・三日月・山姥切国広の歌唱力が圧倒的だったのに、同じ味の曲ばかり聞かされた気がしました……。

私は話の面白さをどう評価するかというと、「ドラマチック」「情熱」「カタルシス」「いい意味での斬新さ」の点で爆上げ加点するタイプです。
話の面白さを「会話劇」「安定感(いい意味で期待を裏切らない)」の点で評価するタイプは、浅井先生脚本がかなり好きなんじゃないかな〜とは思いました。
これはもう好みです!そう、好み!
私が伊藤脚本が好きで、浅井脚本に馴染めないだけ!
辛い!伊藤脚本で生き生きと動いていたキャラクターが大好きなのに!
(でも全肯定するわけでもないんですが!)

刀ミュの最後がどうなるのかは知りたいので、見続けるつもりです。
でも、1部の劇中曲がストーリーに引っ張られる形でドラマチックだったあの頃にもう戻らないのが辛い……

正直なところ、また別の脚本家さんも取り入れて、合作なり交互なりして、試行錯誤をもうちょっとしてほしいです。
脚本の力って大事だと思います……!
よろしくお願いします!

 

あと鶴丸のヘイト管理についてですが、このあとフォロー入るならよし、入らないなら単純に下手くそすぎです。はっきり言いますけれど、下手すぎるので止めた方がいい。


でも役者さんは素晴らしかった!
歌も演技もよかった!
こんなにいいのに〜〜〜〜!